G3:人文科学分野に馴染みの少ない人のため

ここにリストされた項目

知能とは
AIに関する唯物論と二元論
独創力を伸ばすツールの例

知能とは

「知能とは何か」については、教育学、心理学、生物学、哲学などの専門家の間で、いくつかの考え方がある。
 知能を、論理的に考える、計画を立てる、問題を解決する、抽象的に考える、考えを把握するといった「行動」にフォーカスを当てる人もいれば、言語的知能・論理数学的知能・空間的知能・音楽的知能・運動的知能・社会的知能(または対人的知能)・実存的知能といった「因子的」なものに分けて研究する学者もいる。
 知能は「分析知能」「想像知能」「実践知能」の三つから構成されているという比較的シンプルな構成で考える人もいる。同じく三つの構成でも「技術的知能」「芸術的知能」「人格的知能」といったように、種類別にとらえる人もいれば「検索型」「知識型」「計測型」といったように、タスク別にとらえる人もいる。ほかにも言語機能、学習機能などの「機能」として捉える人もいる。
 また、知能を記憶力、計算力、理解力、認識力、思考力、創造力などの、知能を発揮するための「力」という要素に分けて考える人もいる。力と類似な概念で能力という言葉を使い、知能とは、「環境に適応し自己を保存する能力」「環境を自己に有利に変更する能力」「学習能力」「未来予測能力」「伝達能力」「抽象的記号操作を行う能力」という六つの能力の総体だと考える人もいる。同じ能力でも、生物学的には人間に限らずあらゆる動物の知能を、「環境に適応する能力」「生き残るための能力」「種族を維持するための能力」などのように定義する人もいる。
 このように知能は幅広い概念であり、どの切り口から考察するかによっていろいろ定義されることになる。しかしどの考え方も、それぞれの要素を明確に定義することは容易ではなく、またすべての要素が網羅的にリストされていることが、十分に検証されていないことが多い。

AIに関する唯物論と二元論

 機械は思考できるのか、あるいは心を持つことができるかという問題は、心に関する唯物論と二元論の問題に帰することになると考える人がいる。ここでの二元論は人間の心と体の関係についての考察であるため、心身問題とも言われ、哲学の伝統的な問題の一つである。
 唯物論とは精神に対する物質の根源性を主張する、すなわち精神的な存在や活動も全て物質の所産であるとする考えである。この唯物論の立場からすれば、森羅万象は物理的な文脈によって説明できることから、思考も人工的に作りだせる可能性があることになる。ここで、物理的な文脈による説明とは、例えば「思考は高度に組織化された物質である脳の物理的あるいは生理的な働きの結果として産まれてくるものである」といったような説明である。
 これをAIに当てはめてみると、AIは記憶、検索、計算といった物理的な活動の連携によって、なにかを考え出すこと、結論をだすこと、判断すること、新たなことを見つけることなどができるので、思考あるいは創造、理解などができるといった表現をとることになる。
 一方、二元論とは宇宙の構成要素を精神(あるいは心)と物質との二つとする考え方である。この二元論の立場からすれば、心は形而上の存在であり、したがって単に物理的な文脈では説明できないことになる。ここで形而上とは時間・空間の中に形をもつ感覚的現象として存在することなく、それ自身超経験的な、ただ理性的思惟によって捉えられるとされる存在である。これはやや難しい表現のような気もするが、例えば「神とか仏」というものはそのようなものかと考えれば、理解しやすいのではなかろうか。
 その考え方に従えば、AIやコンピュータのプログラムは、記憶、検索、計算といった時間・空間の中に形をもつ現象以上のことを実行するように指示できないので、AIには心は存在しえず、もし思考その他が心の作用によってなされるものであるならば、AIにそれらはできないことになる。いうまでもなく、それは心がある人間(あるいは生物)だけができるものであることになる。

独創力を伸ばすツールの例

御曽崎が社員研修で教えている「斬新なアイディアを生みやすくするためのツール」とは、創造思考とかクリエイティブ・シンキング(Creative thinking)と言われるもので、次のようなものがある。


1.既存の考え方、やり方や起きた事象に対して「なぜ?」と言う問いかけをし、そこで出た答えに再度「なぜ?」と言う問いかけをし、その答えにも「なぜ?」と言う問いかけを連発していって、新しい考え方、やり方を見つける方法。

2.ブレインストーミングと言われるメンバーが自由に意見や考えを出し合ってすぐれたアイディアを引き出す方法。

3.マインドマップと言われる一つのテーマについて、連想的に心に浮かんだ項目を次々に書き込んでいき、そこから新しいアイディアを引き出す方法。

4.メタホリカルシンキングと言われる、一旦本来のテーマと関係のない分野に関するマインドマップを作り、そこから本来のテーマに関するマインドマップでは考えつかなかったアイディアを探り出す、あるいはヒントになる項目を見つけ出す方法。

5.発散と収束の繰り返し。あるときは案を出すことに集中し、次はそれを絞り込んでいくことに集中する。このサイクルを何回か繰り返すことによって、新しいアイディアを引き出す方法。


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